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インバータが故障して、コンベアやファンやポンプが動かない、そんな時の対応
計装電気の言う3相インバーターって、モーターの回転速度をコントロールする低圧インバーターです。
低圧3相インバーターとは、電源が単相AC100V、単相AC200V、3相200V、3相400V→3相可変周波数電源として、モーターの回転スピードを変える事が出来る機器の事を言います。
(下記写真は三菱電機さんのインバーター画像)
インバーターとは、交流商用電源の周波数50/60Hzを、一度内部コンバーターで直流電源に変換して、内部インバーターで交流電源に戻して、周波数を0~120Hzなどに可変して出力します。
基本的には、インバーターが故障したら、計装電気工事が出来る業者に電話して、納期と料金(見積)を確認します。
故障で急に止まると、工場の生産に多大な影響が出て、損失が出るような重要なラインなどのインバーターの場合は、故障する前に運転時間や経年劣化を考慮して定期的な交換が必要です。
*故障前に交換する事を予防保全と言います。
また、重要部分のインバーターを予備として在庫しておくと、万が一の故障時も素早く交換する事が出来るため損失が比較的少なくて済む場合が多いと思います。
普段から、故障時の対応マニュアルを作成しておけば、ライン停止での損失を最小限に出来るはずです。
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三菱、富士、東芝、日立、住友、キーエンスのインバーターの交換方法
万が一インバータが急に故障して、直ぐに復旧したい場合は、同じメーカーのインバーターにこだわる必要はありません。
在庫のインバーターや納期の早いインバーターを選びます。
特に正確な速度制御の必要のないモーターは、回転速度が変わればよいだけですので、応急修理の場合、インバーターメーカーはどこでも良いわけです。
インバーターメーカーには、三菱、富士、東芝、日立、住友、キーエンスなどなど、沢山のメーカーから色々な種類が発売されています。
インバーターにはV/F(周波数)制御と定トルク制御があります。
必要に応じて、交換後にオートチューニングを行います。
インバーター交換に挑戦、インバーター交換は誰でも出来るのか?
結論としては、DIYが出来る方なら、インバーター交換は可能だと思います。
ただし、工場・事業用で使用の場合は、労災の原因になりますので、有資格者が行わなくてはいけません。
インバーターの交換方法
1:インバーターのメーカーを確認します。
2:インバーターの容量を確認します。
3:インバーターのパラメーターを確認します。
加速時間、減速時間、低速、中速、高速、電子サーマル設定くらいです。
4:同じインバーターが現行品か確認します。
無い場合は、代替品にするか他のメーカーのインバーターにします。
5:取り付け寸法やビス穴の確認。
寸法や取り付け穴が違う場合は、ドリルで新たにビス穴を開けて取付けます。
6:配線を外して、新しいインバーターを付けて、配線をつなぎます。
7:後は電源を入れて、パラメーター設定すればOKです。
8:必要に応じてオートチーニングを行います。
ただし、下記写真のような周波数可変ボリュームや周波数計などが付いていたり、外部アナログ電圧や電流入力で周波数を可変するパラメータ設定変更が必要な場合は、配線変更や詳細設定が必要になりますので、業者(計装電気工事店)に任せた方が良いと思います。
また、周波数制御ではなく、ベクトル制御(定トルク運転)を選択している場合も、インバーターオートチューニングが交換後に必要になる場合がありますので注意が必要です。
最後に必ず、モーター電流と定格電流を確認して、電子サーマルを正しく設定して下さい。
電子サーマルを正しく設定しないと、モーターが焼損する可能性があります。
基本的に定トルク(ベクトル)制御の場合は、インバーターとモーターのメーカーを合わせます。
そうする事で多くのインバーターメーカーは、6Hz付近からの低速運転でも100%定トルク運転が出来たりします。
他の会社のモーターの場合は、汎用モーターなどに設定して、オートチューニングを行います。
正しくオートチューニング定数が設定されれば、滑り自動補正などもあり、省エネ運転にもなるはずです。
*詳しくは各メーカーの取り扱い説明書を参照してください。
旧インバーターが端子台で、新インバーターが差し込み式端子台の場合
R,S,T-EとU,V,W-E部分は、新旧ともにネジ式端子台の場合が殆どですので大丈夫ですが、操作回路用端子台は差し込み方式に変わってきていますので、差し込み用に配線加工が必要です。
下記写真は、旧インバーター操作回路ビス(ネジ)式端子台です。
下記写真は新インバーター操作回路差し込み式端子台です。
最近のインバータは端子台が差し込み方式に変わってきています。
三菱電機さんのインバーターは、0.3sq~0.75sqのより線をそのまま配線できるインバーター差し込み操作回路端子台が主流です。
下記画像参照
下記画像は三菱A800シリーズより線の加工差し込み被覆むき寸法です。
下記画像は三菱E700シリーズより線の加工差し込み状況です。
いずれも、精密ドライバーセットとか小マイナスドライバーが配線の締め付けに必要です。
必要以上の力で締めると、端子台が破損します。
また、締め付けが不完全ですと、抜けや接触不良が起こりますので注意が必要です。
端子を使用したい場合は、下記画像のような棒状端子(ブレード形)を使用します。
ニチフさんの端子ですと、三菱E700がBT0.75-7でA800がBT0.75-11です。
端子の圧着には、下記写真のような専用の圧着ペンチを使います。
上記写真の圧着ペンチ(工具)はニチフさんの「NH69」です。
0.3sq、0.5sq、0.75sq、1.25sq、2sqの各サイズの端子圧着が可能です。
圧着不良は作動不良や故障の原因になるので、より線ではなく端子を使用する場合は、正しく施工しましょう。
下記写真は、インバーター交換後の写真です。
少々、配線が雑ですが、古い配線なので仕方がないところです。
時間と予算がある場合は、配線も交換します。
同メーカーのインバーターなら、代替品への交換用にアタッチメントが発売されてるかも?
既存のインバーター取り付け穴を利用して、新インバーターを取り付ける方法として、アタッチメントを使用するか、自作する方法があります。
だいたいは古いインバーターを最新式のインバーターに交換しようとすろと、新しいインバーターが小型化されているため既設の取り付け穴が使用できずに、素早い交換が必要な場合は現地穴あけ加工の必要が無いようにアタッチメントを使用します。
先日、私がインバーターを交換する際は、下記写真のようなアタッチメントを制作しました。
新旧のインバーターの取り付け穴位置は、インバーターの取扱説明書やCAD図などで事前に分かりますので、上記写真のように鉄板でアタッチメント(変換アダプター)を制作していくと、現地インバータ交換作業がスムーズに行えます。
上記写真は実際にアタッチメントを使用して、新インバーターを取り付けたものです。
既存のインバーター取り付け穴を再利用していますので、早く交換が終わりました。
今回はアタッチメントを自作しましたが、メーカー純正でアタッチメントがオプションであるかもですので、交換前にアタッチメントの有無を調べてみるのもおすすめします。
アタッチメントがあれば、特に重量の重いインバーターの場合は現地作業が早くなると思います。
以上がインバーター交換の要領と手順でした。
参考になれば幸いです。
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