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漏電チェック、漏電ブレーカーの種類・普通のブレーカーとの違いは?
電気屋さんなら1度や2度くらいは、感電してビリットきてビックリした事があるのではないでしょうか?
いやいや、感電が良い事ではありませんし、電気屋さんだって感電しない方が良いに決まってます。
しかし、ふとした気のゆるみや危険作業で充電部(電気がきてる所)に触ってしまい感電してしまうのです。
そこで感電に役に立つというか、安全に必要なのが「漏電ブレーカー」というブレーカーなんですね。
漏電ブレーカーがトリップしたり、漏電警報機が鳴ったりする時は、危険(感電、火災など)なため漏電個所を調査して、修理(改善)をしてから再通電する必要があります。
電気の図面では、漏電ブレーカーはELCBとかELBとか書いてあります。
普通のブレーカーは(ノーヒューズブレーカー)、MCCBとかNFBとか書かれています。
ELCBは漏電ブレーカーでEarth Leakage Circuit Breakerの略。
MCCBは普通のブレーカーでMolded Case Circuit Breakerの略。
漏電のチェック(遮断)が行えるのはELCB(漏電ブレーカー)となります。
NFB(No Fuse Breaker)は三菱電機さんのブレーカーの商品名だそうです。
ですのでMCCBとNFBは同じ種類の普通のノーヒューズブレーカーですが、図面に記載する場合はMCCBの方がよいかもしれません。(よって意味合いはMCCBとNFBの違いはなしです)
JIS規格の表記だとMCCBやELCBを使うのが良いかと思います。
普通のブレーカー(MCCB)と漏電ブレーカー(ELCB)の違い。
MCCBは過電流(電気の使い過ぎ)が発生した時に電源を遮断(トリップ)させる事が出来るブレーカー。
ELCBは過電流(電気の使い過ぎ)と漏電(電気が正規の回路以外から漏れ出した微弱電流)の両方を検出して電源を遮断(トリップ)させる事が出来るブレーカーです。
(注)一部漏電保護機能しかない漏電ブレーカーもあります。
上記がMCCBとELCBの違いだと思います。
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漏電個所の調査と方法は?
漏電が発生するとELCBがトリップします。
絶縁抵抗値の電気設備技術基準の値は下記表ですので、それ以上に良い数値に保たなければ、漏電トリップの可能性が高くなります。
↓対地電圧 | ↓絶縁抵抗値 メガ計で測定 |
150V以下 | 0.1MΩ以上 |
300V以下 | 0.2MΩ以上 |
300Vを超える | 0.4MΩ以上 |
絶縁測定(メガ測定禁止)ができない場合は、もれ電流測定を行い、漏れ電流は1mA以下とします。
ただし、上記の数値以上の絶縁値があっても、客先の仕様や施工基準で、AC200V回路で1負荷50MΩ以上など別に基準がある場合は、その基準値も満たすようにしなければいけません。
私が思っている漏電調査の方法
1:漏電ブレーカーのトリップか?漏電警報が出いるのか?又はその両方の症状なのか?確認します。
2:リセット可能か確認します。
再度、漏電ブレーカーがトリップしたり、漏電警報が出る場合は漏電個所の特定が必要です。
一応、絶縁測定や漏電ブレーカーなどの点検を行います。
ただし、リセットできる場合は、漏電測定をしても原因を特定できない場合があります。
それは、瞬間的な漏電など、漏電ブレーカーはトリップするが、テスターで絶縁抵抗値を測定する時には正常だという場合があるからです。
3:リセットできない場合は漏電個所を特定します。
4:漏電個所を修理して、絶縁測定などを行い正常か確認後に、電源を入れます。
ブレーカーの操作や修理は有資格者が行うようにしましょう。
(低圧電気取扱者や電気工事士などの資格の詳細は別にお調べ下さい)
しかし、漏電が1日に1回とか1週間に1回の頻度だと、特定が難しくなります。
クランプ式の複数負荷を同時監視できるリークロガー(漏電記録計)があれば、良いのかもしれませんが、私は持っていないので、別の方法で解決するしかありません。
予算がある場合は、主電源ブレーカーを時延型にして、分岐負荷は0.1秒以内の高速型漏電ブレーカーを設置します。そうすることで、絶縁不良の負荷の漏電ブレーカーのみトリップするため、漏電個所を特定できます。
瞬間的な漏電の場合は、主電源プレーカーのみ時延型にすることで、漏電トリップ時にメインブレーカートリップによる全負荷停電停止は防げて、漏電個所が完全に不良になるまで使うことができる可能性があります。
ただし、主電源漏電ブレーカーを高速型から時延型に変更できない場合(既定の基準で設置してる場合)もあるため注意が必要です。
感電事故防止のためなどの場合は時延型に交換できない場合もあると思います。
接地工事の関係で0.5秒以内に作動する漏電ブレーカーが付いていた場合は、時延型漏電ブレーカーに交換した時の設定は、0・45秒(以内)にSETして下さい。
分岐負荷に、一時的に漏電リレーを設置して気長に漏電個所を探す方法もありますが、主電源の漏電ブレーカーが先にトリップしてしまうと、特定に時間がかかる場合があります。
主電源でトリップすると再起動に時間がかかったり、製造中の物が販売できない状態になったり損出が大きい機械機器の場合は、主電源漏電ブレーカーを時延型にして、分岐負荷に個別に高速型漏電ブレーカーを取り付けることで、漏電個所の特定が通常容易になるため、とても便利で安全になります。
そのため私は負荷個別に漏電ブレーカー(作動0.1秒以下)を設置する事をすすめますが、漏電ブレーカーは通常ブレーカーより高価な場合が多いため、イニシャルコストは高くなります。
漏電調査を電気工事店さんにお願いする場合は、ブレーカーはOFFにして緊急性がない場合は現状のままにして見てもらった方が良いと思います。
それは、電気工事店さんの方が漏電調査に来る前に機械や機器を動かしたり、端子台ボックスを開けてしまうと、振動などにより漏電が復旧してしまう場合があるからです。
漏電が復旧してしまうと、電気工事店さんの方が漏電調査をはじめても、漏電個所がわからなくなってしまいます。
完全に漏電していれば、プロの電気屋さんじゃなくても絶縁測定や漏れ電流測定で漏電個所を断定できるのですが、復帰型漏電ですと機械などが漏電で止まった位置で停止させておくことも漏電箇所調査では大事な場合があります。
下記写真は漏れ電流測定器(画像のテスターは交流漏れ電流と交流電流が測定できます)
下記写真は通常の漏電ブレーカー
(3P100A 感度電流30mA、作動時間0.1秒以内)
下記写真は時延型漏電ブレーカー
(3P100A 感度電流切替式、作動時間切替式)
下記写真は時延型漏電ブレーカーのアップ
(赤丸部分は漏電検出感度切替機能です)
と、ELCB(漏電ブレーカー)にも色々と種類があります。
人間の感電事故防止では、規定値以上の漏電電流が流れた場合、0.1秒以内に電源を遮断できるものの方が良いと思います。(電圧や電流によりますが、0、1秒以内に電源を遮断出来れば感電しても命の危険にまではならないとも言われます)
漏電と感電の違いは、漏電が先ず発生して、次に漏電している個所に触ると感電するという事です。
もちろん充電部(電気のきている所)に触れば感電しますが、それは漏電個所での感電ではないです。
充電部は電気がきていても当たり前の場所なので、ブレーカーなどは絶縁カバーなどで容易に充電部に触れなくしておく必要があります。
本来は充電部は絶縁カバーが付いていて触ることができないので安全なはずです。
充電部保護カバーの付いていないブレーカーの操作をする時は注意が必要です。
感電については次の記事で書きます。
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