広告
インバーターへのノイズフィルターの取り付け効果。
制御盤は金属製のボックスだし、アースもちゃんと接続しているのに、インバーター負荷(3相200V)を運転すると、AMラジオや外部スピーカーにノイズ(雑音)が入いってしまう。
ライン(ラジオ)ノイズフィルター取り付けイメージはこちらをご覧ください。
さて、どうしましょう。
私が対策として思い浮かぶのは下記の1~3です。
1:キャリア周波数を下げてみる。
(三菱の場合Pr.72 PWM周波数選択)
2:ラジオノイズフィルターを付けてみる。
3:ラインノイズフィルターを付けてみる。
1~3のなかで簡単なのは1と2だと思います。
スポンサーリンク
結論としては、今回もっとも取り付けの簡単な2:の「ラジオノイズフィルター(下記写真)」だけで、ノイズ(雑音)低減の効果はありました。付け方はこちらをご覧下さい。
1はパラメーターの変更のみ。
2は比較的小さい部品をインバーターの電源に並列接続するだけだからです。
3はインバーターの電源線と出力(2次側)線に変更(延長など)を行わないとダメな場合もあり、取付(設置)場所にも制御盤内にそれなりのスペースを必要としますので、難しい場合もあります。
1と2又は1だけで、それなりの効果(ラジオ受信に気にならない程度までノイズ軽減)があれば、費用も少なくOKかもしれません。
実際にAMラジオや外部スピーカーにノイズが入り、問題になったことはありますが、2~3を行って解決した現場がありました。
ただ、1(キャリア周波数を下げる)だけで効果があるのか、実験してみたいと思います。キャリア周波数(パラメーター変更)を下げるだけで、ノイズ低減できれば、追加部品購入をしなくてもよいかもしれません。
インバーターとラジオも色々な種類や製作メーカーがあるので、全てのインバーターで同じとはなりませんが、下記写真のインバーター(三菱FR-S520)とAMラジオでチェックしてみました。
上記写真はインバーターとラジオノイズフィルターとラインノイズフィルターを、
取付けた状態の写真です。電源側のラインノイズフィルターの貫通回数が2回と、
少ないですが、本当は4T(4回)以上必要です。
負荷側は逆に貫通回数は最大でも4T(4回)以下との指定があります。
上記写真のラジオノイズフィルター(FR-BIF)は10MHz以下でノイズ低減効果が期待できるようです。
ラインノイズフィルター(FR-BSF01)は1~10MHzでノイズ低減効果が期待できるようです。
消しゴムは大きさ比較用で撮影しました
まず、インバーター(FR-S520)のパラメーターをオールリセットして、初期設定にしました。
Pr.30を0→1に変更して、拡張(多機能)機能表示できるようにします。
Pr.77を0→2に変更して、インバーター運転中もパラメーターを変更できるようにして、
インバーターを運転します。
インバーターを運転した時点で、AMラジオにノイズを確認。
Pr.72(PWM周波数選択)のキャリア周波数を1(初期値)→0に変更。Pr.72は初期値が1で0~15を選択できます。0が0.7kHzで15が14.5kHzですので、キャリア周波数を0.7~14.5kHzで変更できるということです。今回1→0にしただけで、AMラジオノイズ低減を確認できました。
その後、Pr.72を0→5→10→15と高くしていくと、AMラジオのノイズも大きくなることを確認しました。
Pr.72を5(充分にノイズがある状態)として、ラジオノイズフィルター(FR-BIF)を取り付けてみると、
ノイズが完全ではないですが、減少することを確認しました。
その後、 ラインノイズフィルター(FR-BSF01)を電源側と負荷(2次)側の両方に取付けてみると、ノイズは確認できないくらい減少しました。
ラジオノイズフィルターのみでもノイズ低減効果は確認できたのですが、ラジオノイズフィルターとラインノイズフィルターの両方を設置することが、よりAMラジオのノイズ低減になることが確認できました。
これプラス、キャリア周波数(Pr.72)が高く設定してある場合は、可能であれば下げてみると、よりノイズ対策になると思います。キャリア周波数を初期値の1から0に変更しただけで、ノイズ低減を確認できましたので。
当方のテストで確認できたAMラジオのノイズ低減ですが、同じことをすれば全ての環境でノイズ低減できるわけではないと思いますので、本WEBは参考程度でお願いします。
ブログ管理人